2013年03月07日
トゥルーガマの恋
今日は、「かなし糸縁」の元になったお話、「トゥルーガマの恋」について説明したいと思います
「かなし糸縁」と内容が全く同じという訳ではなく、おくまでも参考にしたという程度なのでネタバレ等の心配はないと思いますが、
内容を知らないまっさらな状態で舞台を楽しみたいという方はお読みにならない方がいいかもしれません・・・
あと、少し長くなっていまいますので、ご容赦ください
《トゥルーガマの恋》
昔、伊芸に美人揃いの三姉妹がいた。姉妹の美しさは、隣町の屋嘉や金武までもウワサにのぼり、そこの青年たちがわざわざ見に来るほどであった。
姉妹のなかでも特に際立って美しかったのは一番上の姉だった。姉の美しさは役人の耳にも入り、首里の殿内から奉公に来てもらえないかとすすめられていた。当時、首里に奉公に出ることは大変な名誉であった。そのために、喜んで引き受け、お祝いまでしたそうだ。
奉公に出たあとは、家に帰れるのは正月と七月だけであった。
ある年の七月のことだった。
首里から実家に向かっている途中、テーラガー(平良川)までは天気に恵まれ、家路は順調であった。ところが、安慶名を通り過ぎたときに突然雨に見舞われ、近くに見えたトゥールガマで雨宿りをすることにした。
たまたまそこに、たくましい体格の男が雨宿りしてきた。見知らぬ二人は、口もきかず、ただ黙って雨が止むのを待っていた。しかし、雨は止みそうにない。いつのまにか二人は目が合うようになり、言葉を交わすようになっていた。そのうちに、お互いの事情を知るようになり、恋仲にまで急進展した。男は屋ヶ名の森根という人だった。
雨は止み、その場は別れなければならなくなったが、二人は将来の約束まで交わし、何年後かに、男が伊芸まで迎えにくることになった。
男が迎えに来るという前の月には、女はすでに奉公をやめていた。
いよいよ恋人が来るという日、女は胸の高鳴りを押さえきれず、伊芸の浜で待っていた。しかし、待てども待てども恋人は現れない。その後、何日も待ち続けたが、ついに恋人は姿を現さなかった。
森根からは何の音信もないまま、女は恋疲れで痩せ衰えてしまい、とうとう思い病気になってしまい亡くなってしまった。
実は森根は舟で伊芸に向かう途中に高波にあい、行方不明になっていたのだった。
二人の死後、時は経ち、森根の家に災いが続いた。理由もなく牛や豚が死んだりした。
「こんな不思議なことがどうして起こるのか」
森根の主人はユタに相談することにした。ユタは
「昔、この家の男で海で死んだものがいる。その人は、金武の伊芸というところに恋人がいた。その女を捜して、この家の嫁として迎えなければいけない」
と教え諭した。
森根の主人は、さっそく伊芸に向かい、その女の居場所を探した。やっとの思いで下の妹に会えたが、彼女は姉のことを話したがらなかった。不幸な死だったので、仏壇にたてまつられなかったのである。
女が死んでしまったことを知った森根の主人は、それまでの事情を説明し、女の家族にお願いした。
「屋ヶ名の実家の仏壇に亡くなった二人をたてまつってやりたい」
それを聞いた女の家族は涙を流して喜んだという。
森根の実家では、仏壇にたてまつられた二人を前に、みんなでお祝いをして死後の結婚式をあげたそうだ。
その後、森根の家には何の災いも起こることなく、栄えたという。
いかがでしたか
長くなってしまいましたが・・・
この物語を読んで舞台を見ていただくと、また違った面白さが出てくるかもしれません
最後まで読んでくださり、ありがとうございました
笑
【公演情報】
平成25年3月23日金武中央公民館18:30開演(18:00開場)
平成25年3月24日豊見城中央公民館18:30開演(18:00開場)
〈チケットのお求め〉
リウボウチケットカウンター(パレット久茂地店)TEL098-867-1171
楽天チケットhttp://ticket.rakuten.co.jp
沖縄県文化協会(電話予約窓口)TEL098-867-4746
金武町立中央公民館TEL098-968-2992
〈チケット〉
一般2,000円
学生(小中高生)1,000円
質問等はブログのコメント欄でも受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください
☆制作・宮城☆

「かなし糸縁」と内容が全く同じという訳ではなく、おくまでも参考にしたという程度なのでネタバレ等の心配はないと思いますが、
内容を知らないまっさらな状態で舞台を楽しみたいという方はお読みにならない方がいいかもしれません・・・
あと、少し長くなっていまいますので、ご容赦ください

《トゥルーガマの恋》
昔、伊芸に美人揃いの三姉妹がいた。姉妹の美しさは、隣町の屋嘉や金武までもウワサにのぼり、そこの青年たちがわざわざ見に来るほどであった。
姉妹のなかでも特に際立って美しかったのは一番上の姉だった。姉の美しさは役人の耳にも入り、首里の殿内から奉公に来てもらえないかとすすめられていた。当時、首里に奉公に出ることは大変な名誉であった。そのために、喜んで引き受け、お祝いまでしたそうだ。
奉公に出たあとは、家に帰れるのは正月と七月だけであった。
ある年の七月のことだった。
首里から実家に向かっている途中、テーラガー(平良川)までは天気に恵まれ、家路は順調であった。ところが、安慶名を通り過ぎたときに突然雨に見舞われ、近くに見えたトゥールガマで雨宿りをすることにした。
たまたまそこに、たくましい体格の男が雨宿りしてきた。見知らぬ二人は、口もきかず、ただ黙って雨が止むのを待っていた。しかし、雨は止みそうにない。いつのまにか二人は目が合うようになり、言葉を交わすようになっていた。そのうちに、お互いの事情を知るようになり、恋仲にまで急進展した。男は屋ヶ名の森根という人だった。
雨は止み、その場は別れなければならなくなったが、二人は将来の約束まで交わし、何年後かに、男が伊芸まで迎えにくることになった。
男が迎えに来るという前の月には、女はすでに奉公をやめていた。
いよいよ恋人が来るという日、女は胸の高鳴りを押さえきれず、伊芸の浜で待っていた。しかし、待てども待てども恋人は現れない。その後、何日も待ち続けたが、ついに恋人は姿を現さなかった。
森根からは何の音信もないまま、女は恋疲れで痩せ衰えてしまい、とうとう思い病気になってしまい亡くなってしまった。
実は森根は舟で伊芸に向かう途中に高波にあい、行方不明になっていたのだった。
二人の死後、時は経ち、森根の家に災いが続いた。理由もなく牛や豚が死んだりした。
「こんな不思議なことがどうして起こるのか」
森根の主人はユタに相談することにした。ユタは
「昔、この家の男で海で死んだものがいる。その人は、金武の伊芸というところに恋人がいた。その女を捜して、この家の嫁として迎えなければいけない」
と教え諭した。
森根の主人は、さっそく伊芸に向かい、その女の居場所を探した。やっとの思いで下の妹に会えたが、彼女は姉のことを話したがらなかった。不幸な死だったので、仏壇にたてまつられなかったのである。
女が死んでしまったことを知った森根の主人は、それまでの事情を説明し、女の家族にお願いした。
「屋ヶ名の実家の仏壇に亡くなった二人をたてまつってやりたい」
それを聞いた女の家族は涙を流して喜んだという。
森根の実家では、仏壇にたてまつられた二人を前に、みんなでお祝いをして死後の結婚式をあげたそうだ。
その後、森根の家には何の災いも起こることなく、栄えたという。
いかがでしたか

長くなってしまいましたが・・・

この物語を読んで舞台を見ていただくと、また違った面白さが出てくるかもしれません

最後まで読んでくださり、ありがとうございました

【公演情報】
平成25年3月23日金武中央公民館18:30開演(18:00開場)
平成25年3月24日豊見城中央公民館18:30開演(18:00開場)
〈チケットのお求め〉
リウボウチケットカウンター(パレット久茂地店)TEL098-867-1171
楽天チケットhttp://ticket.rakuten.co.jp
沖縄県文化協会(電話予約窓口)TEL098-867-4746
金武町立中央公民館TEL098-968-2992
〈チケット〉
一般2,000円
学生(小中高生)1,000円
質問等はブログのコメント欄でも受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください

☆制作・宮城☆
Posted by かなし糸縁 at 11:55│Comments(0)